各Outputでの研究内容

Output 1:熱帯地域における水再利用技術の開発・普及促進に係わる枠組み作り
本研究において開発された技術の普及,および熱帯地域における水再利用技術の研究開発に必要なガイドライン等の設計を行います。 また,水再利用技術の開発能力の向上および普及促進の中心となる組織として『熱帯地域における水再利用技術研究開発センター』を設立します。

Output 2:省エネルギーあるいはエネルギー自立を実現する分散型の水再生利用技術の開発
大都市商業ビル等の水循環再生システムとして,熱帯の温度特性を利用した低コストかつ省エネルギーな水再利用システムの開発を目指します。 その中心となる技術が,iPMBR(傾斜板付き膜分離活性汚泥法)です。
これが実現すれば,上水使用量の削減によるコスト減と温暖化対策への社会貢献の両面で,民間企業が取り組みやすいWin-Winの社会実装事例となり, タイにとどまらず東南アジアさらに熱帯地域に位置する世界の大都市に普及することが期待されます。

Output 3:資源生産型あるいは地球温暖化ガス発生抑制型の水再生利用技術の開発
廃棄物や太陽光を利用することで,資源生産または地球温暖化ガス発生抑制を可能とする水再利用技術の開発を行います。 実現すれば,水不足や地下水に代わる安価な水の確保に悩む向上や周辺地域への朗報となります。

食品工場では,高濃度有機性排水のメタン発酵によるエネルギー利用,あるいは熱帯に特有な強い太陽光を利用した 光合成微生物による資源生産を水再利用の一環として実現することで,水の生産とエネルギー回収あるいは有価物生産, そして地下水の保全を目指します。

廃棄物処分場では,廃棄物の中の易分解性有機物を利用することによりメタンをはじめとする地球温暖化ガスの発生の抑制と, 周辺地域への再生利用水の供給を目指します。

Output 4:地域水再利用のための効果的な管理・モニタリング手法の開発
Output 2およびOutput 3で開発される新たな水再利用技術を生かして,熱帯地域の安心・安全な水再利用を実現させるための 効果的な管理・モニタリング手法を開発します。具体的な研究項目は以下の通りです。

(4-1) 水質情報プラットフォームの開発
水の利用目的に応じた水質情報を提供するためのプラットフォームを設計・開発し, 現地での情報収集をもとにプラットフォームの整備を行います。

(4-2) 再利用水の健康リスク評価モデルの開発
水の再利用における安全性の確保を継続的にかつ持続可能な形で行うために, 再利用水の健康リスクをモニタリング・評価するための手法を開発します。

(4-3) 分散型水循環システムの評価と構築
地域の実態に合致した分散型水循環システムの構築を目指し,熱帯地域の開発途上国での水循環における課題の洗い出しと, 最適な水再生利用技術の適用可能性の検討を行います。

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