チャチェンサオ県PEO Officeにてヒアリングと被害状況観察
- 調査員
- 山本,本多
バンコク都に隣接するチャチェンサオ県を訪れ、PEO Officeでの聞き取りと被害状況の視察を行いました。
上の地図にて調査地点のマーカーをクリックすると、その地点で撮影した写真が表示されます。
<ポンプ場:地点A>
運河からBangpakong Riverへと排出。既存の5基のポンプに加え、6基の移動式ポンプを臨時に設置し、排出能力を上げて運転を行っていた。
<養殖場:地点B>
Bangpakong川に筏を浮かべてエビ・魚の養殖を行っている養殖場を視察。
経営者によると、バンコクからの大量の水の流入によって河川の溶存酸素濃度が5日間程度低下し、魚が大量に死んでしまったとのこと。
<田圃:地点C>
田圃からの水は有機物を多く含むため、氾濫水の溶存酸素濃度低下の一因と疑われる。
この地域では3カ月ほど前から浸水していたが、この時点では既に水が引いていた。
<水門:地点D>
バンコク都との境界に位置する運河の水門を視察。
バンコクからBangpakong Riverへ排出する運河(Khlong Pra Ong Jao)の水が、傍流の運河(Khlong Luang Phang)に流入しないように水門を全閉するとともに、一時的に堰を設置して水の浸入を制御していた。近隣の運河でも同様に堰で止めているところがあった。
<PEOへの聞き取り>
・浸水被害の大きい地域は県北西部、Pathumthani県やBangkokのLam Lukka地区に近いところ。現在の水深は50cm程度。
・低溶存酸素濃度の水の流入による魚の死亡が発生している。
・廃棄物処分場(非衛生埋立)も浸水しており、DOが低い浸出水が周囲に流出している。
・田圃からの水が有機物を多く含み、低溶存酸素濃度の一因となっていると考えられる。
・市街地の浄水場は被害なし。原水の汚染はあるが、水道水に問題はない。
・郊外は、表流水を無処理で供給しているため、水道水の水質が悪化している。
・下水処理場は、浸水していないが処理は行っていない。下水管から洪水が侵入してくるので、ポンプで河川に戻している。
ポンプによる排水
養殖場:エビ・魚を養殖。洪水時には低溶存酸素の水により魚が大量に死んだとのこと。
田圃:トラクターで田おこしを行っていた。
田圃:洪水の痕跡が見られる。この時点では水は引いていた。
水門