MBRとは
膜分離活性汚泥法(Membrane Bioreactor: MBR)とは,活性汚泥法と膜分離法を組み合わせたプロセスであり,通常,分離膜としては精密濾過膜(Microfiltration: MF)ないしは限外濾過膜(Ultrafiltration;UF)が使用される。膜分離活性汚泥法は膜の固液分離作用で汚泥流出が阻止されることにより,バイオリアクターの生物濃度を高められるので,装置の小型化が可能であることや余剰汚泥の生成量が少ないこと等が利点である。特に膜分離により,汚泥の沈降性に処理水質が全く影響されないと言う大きな長所を有する。最近は,大量製造により膜モジュールの販売コストも低下し,廃水処理への適用にあたって経済的な妥当性もより高まっている。このような背景をもとに,現在日本を筆頭に世界で小規模の下水処理を中心に様々な分野で広範囲に適用されはじめている。 しかし微生物への酸素供給に加え, 膜の目詰まりを洗浄するための曝気が追加的に必要であり, エネルギー多消費であるという側面は依然として残っている。 MBRのより広範囲な適用を可能にするための課題として, ファウリング(目詰まり)の防止に関連した研究が世界的に行われてきている。
循環式硝化脱窒方式 浸漬型MBRの図